目的:両対数グラフや片対数グラフは、物理の実験データ解析で頻繁に用いられる。規則性を一目で見抜くことができるからである。以下では、Microsoftの表計算ソフトExcelを使って、既知の関数を、片対数グラフや両対数グラフにプロットすることによって、これらのグラフから何を読みとれるかを学ぼう(問題1、2)。そして、問題3では、データをプロットするだけでケプラーの法則が一目で見抜けることを体験しよう。
注意:以下の問題は、Excelの基礎を体得していることを前提にしています。不慣れな人は、まず、Excelの手引きを参照して、Excelに慣れよう。
問題1 y=a*x^b という関数(a,bは定数;x^bはxのb乗)をプロットして直線になるのは、片対数グラフ(yをlogxに対してプロットしたグラフ、あるいは、logyをxに対してプロットしたグラフ)、あるいは、両対数グラフ(LogxをLogyに対してプロットしたグラフ)のどちらか? また、そのグラフにおいて、直線の傾きは、曲線の式(y=ax^b)の何に等しいか? Excelで作った図も添えて、この回答用紙を提出すること。
答 (縦軸が対数の 横軸が対数の 両対数の)グラフ 直線の傾き= ( a b )
いずれかに○ いずれかに○
Excelの手引きだけでは分からない人は、下記の手順で作図して、直線の傾きがaなのかbなのかを判断しなさい:
Step1:Excelの手引きに従って、x,1*x^2,1*x^3,2*x^2,3*x^2のデータをA1-E11に作る。
Step2:G2に数式「=log10(a2)」を入力(「セルA2の値の、10を底にした対数」という意味)。
Step3:G2を、G3からG11に連続コピー。
Step4:G2からG11を、H2からK11へ連続コピー。
Step5:G2からK11のデータを使って作図(散布図;点と線)
問題2 y=p*exp(q*x)という関数(p,qは定数;exp(q*x)は、eのqx乗という意味)をプロットして直線になるのは、片対数グラフ、あるいは、両対数グラフのどちらか? また、そのグラフにおいて、直線の傾きは、曲線の式(y=p*exp(q*x))の何に等しいか? Excelで作った図を添えた上でこの回答用紙を提出すること。
答 (縦軸が対数の 横軸が対数の 両対数の)グラフ 直線の傾き= ( p q )
いずれかに○ いずれかに○
Excelの手引きだけでは分からない人は、下記の手順で作図し、直線の傾きがpなのかqなのかを判断しなさい:
Step1:x, exp(x), exp(2*x), 3*exp(x)のデータをA1-D11に作る。
Step2:E2に数式「=ln(a2)」を入力(「セルA2の値の、自然対数」という意味)。
Step3:E2を、F2からH2にコピーし、
Step4:E2からH2を、E3からH11まで連続コピー。
Step5:E2からH11のデータ(両対数データ)を使って作図(散布図;点と線)。
Step6:うまく行かない場合は、片対数のデータを作って調べるべし。
問題3 下の表は、太陽系の惑星の平均公転軌道半径rと平均公転周期Tである。これらをプロットすると直線になるのは、どのようにプロットした時か? また、公転周期Tが軌道半径rと、どのような関係であると読みとれるか? 数式で示せ。また、そのように判断した図も提出しなさい。
答 (半径だけが対数の 周期だけが対数の 両方とも対数の)グラフ T =
いずれかに○
惑星 | 水星 | 金星 | 地球 | 火星 | 木星 | 土星 | 天王星 | 海王星 |
平均公転半径 | 0.3871 | 0.7233 | 1.0 | 1.5237 | 5.2026 | 9.5549 | 19.2184 | 30.1104 |
平均公転周期 | 0.2409 | 0.6152 | 1.0 | 1.8809 | 11.862 | 29.458 | 84.022 | 164.774 |
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